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2007-08-04 (Sat)
「ねぇ、蓮君。君は前世ってあると思う?」

彼女は唐突に質問した。

「前世?」

「そう前世。」

彼女朝倉美羽は堕天使の翼のような暗黒色の長い髪を風になびかせながら遠くを見つめている。
此処は午前中の学校の屋上。
今教室ではつまらない授業最中であって、
俺達二人はサボり組。
俺たちがサボり組になったのは少し前の今日と同じように風がそよそよと優しく吹きもう半袖でも過ごせそうな時期だった。
俺は一人屋上にいた。
つまりあれだ。サボリと言うやつだった。
ちなみに今は3時間目。
確か…今教室でやっている教科は数学のはずだ。
数学なんか正直やってられない。
俺文系だから出来なくても問題無いだろとか思っていた。
それにしても、サボリを一人でするのは寂しい所もある。
友達がいない訳でもないけど、別に特別親しい訳でもないのでサボリの時はいつでも一人だった。
まず、この進学校でサボリを探す方がすごい。
そんなことを考え太陽の光に照らされてうとうとなってきた瞬間。

ガチャ…
屋上の入口が開いた。

や、やばい、先生でも来たのか。

と思い息を潜めてドアを見つめると、そのドアから、一人の女子が出てきた。

じょ、女子…?

その女子が朝倉だったわけ。
そいつは屋上に入ると回りとキョロキョロと見回し俺と目が合うと、ニコッと笑いこちらへ近づいてきた。

な、なんで来るんだよ…。

「もしかして君もサボり?」

彼女はにぱっと微笑んだ。

「君もってお前も?」

彼女はうんとわらい俺の隣にすわった。
俺たちはこのときお互いのことをたくさん話し
今のような関係になった。
ちなみに彼女は一つ上で成績優秀。
どうしてあのときにここに来た理由は今も知らない。

「蓮君は前世とか興味ないの?」

「ん、ないな、朝倉は?」

「おい、先輩と呼びなさい。先輩とね。」

「いやだね。」

朝倉先輩。なんていえるわけが無い。
だって結構俺お前との年の差気にしてるわけで
朝倉は俺よりひとつ年上の先輩。
で俺の片思いの相手。

「くそ生意気ね。まったく。」

「まぁ、いいじゃん。で、前世がどうかしたのか?」

「なんか流された気がした。まぁいいけどね、んーとね」

「んーと?」

大きく広がった空を見上げながら少し考える彼女の横顔。
綺麗でもろくて可愛かった。

「あたしね。自分の前世が見えるの」

「見える?」

ふっと空を見ていた大きな瞳が俺を捕らえた。
綺麗な瞳と唐突の言葉に気がつくと俺は言葉を発していた。

「そう、いつも夢の中であたしはあたしでは無くなっていた」

「どういう意味?」

俺を捕らえていた瞳がまた空を見つめた。
その瞳が見ている空は俺が見ている空とは違う気がした。
なぜか彼女が遠い。

「しってる?人間ってとっても長い夢を見るときはね、
その人の前世をみているときらしいの。
それでね私も時々すっごく長い夢を見るの。
しかもなぜかその夢には楽しみや幸福感そして悲しみや苦しみ。
ついでに痛みも感じるという変なおまけ付き。」

「それって夢じゃないんじゃないの?」

「んー確かに。あたしもそう思いたいんだけどね。」

痛みを感じるだなんで夢じゃないそう思った。
けど彼女は蚊の鳴くような声でぼっそりとつぶやいた。

「で、朝倉の前世はなんだったわけ?」

「んっとね、ん?信じてくれるの?」

彼女は驚きを隠せないと言ってるように俺に聞き返した。

「信じるしかないだろ。それにお前他の人にそれ話したこと無いんだろ?」

「え、うん。」

「それなら信じるよ。お前が俺を信じてくれてるならば」

あ、ありがとうと彼女は少し戸惑いながらも優しく華のように微笑んだ。
あぁ。この感情を愛しいというのか。



「はじめて見た夢はあたしはどこにでもいる女の子だった。
けれどもいつも傍には一人の男の子がいてずっと笑っていた。
その女の子・・・。というかあたしはいっつも幸せそうだった。
はずだったのに」

「だったのに?」

俺はうんとかそれでとか相槌をしながら彼女の話に耳を傾けていた。
彼女は話すときにすっごく幸せそうででもなぜか悲しそうだった。

「あたし、病気でしんじゃった。」

「え。」

「たしかまだ学生だったはずよ。でも死んじゃったの。」

今にも泣き出しそうな美羽。目線はずっと下を向いていて
かける言葉が見つからなかった。
きっと俺がしっている全ての言葉を彼女に言っても
彼女が笑ってくれることはないと思ったから。
それから彼女の前世と思われるものの話をいくつか聞いた。
彼女の夢は、いつも一人の人間を一生懸命に追いかけているものがほとんどだった。
というか全部だったと思う。
でもなぜかその話にはハッピーエンドというものは無かった。
本当に色々な夢があったけれどもなぜかなぜかそのハッピーエンドはなかった。
両思いなのに二人が結ばれることはないという感じ。
どうしてか俺はこいつがかわいそうにしか思えなかった。

「でもね。蓮君。あたしはね、あたしの前世を見て、可哀想とは思わなかったの。」

悲しそうな瞳はいつのまにか力強くなっていた。

「どうして?」

「確かにいつも終わりは悲しかった。
朝起きると何度も愛しかった人のことを思ってなんども泣いた。
でもね、夢の中のあたしはこれでもかってほど幸せだったの。
少しでも好きな人の隣に入れてたくさん笑って。
辛い思いもたくさんあったけど何度も愛を確かめ合って
この手で彼の優しさに触れて、抱きしめあって。
なんどもなんどもずっとずっと愛を感じていた。
そんな愛があったからあたしは不幸じゃない。
あたしは可哀想なんかじゃない。
あたしの前世はどれも世界で一番幸せだった。
だって隣に彼がいたから。
ほら、今あたしの隣に蓮君がいるようにね」

彼女はそういって長い髪の毛を風になびかせて
俺に微笑んだ。その笑顔は真っ赤に染まっていた。
ついでに俺の頬にも熱を感じた。

「あ、うん。ん?って?」

「あれ?蓮君しらなかったの?あたしずっと蓮君のことが好きだったんだよ」

「え?ずっとっていつから?」

いきなりの告白に俺はドキドキを隠せなかった。のに
彼女はいつものように余裕たっぷりだった。

「んーとね。あの日初めて会った日。あたしが初めて屋上に来た日だよ多分。」

「え、ちょっと俺もあの日から・・」

「あの日から?」

彼女は首をかしげて俺の顔に顔を近づけてきた。

「ずっと好きだった」

そういうと彼女の顔が真っ赤になっていった。
その顔はまるでもぎたてのりんごのようだった。

「蓮君。」

「何?」

「これからずっと一緒にいてくれますか?」

「もちろん。」


本当は 悲しかった。

本当は もう誰も愛したくなかった。

けどね あの日君にあってから

あたしの中の何かが 君を求め始めたんだ。

ずっとずっと君を求めていた

それはまるで悲しさのように

それはまるで本当の強さのように

君を求め始めたんだ。

ほら今日も夢をみよう。

ずっとずっと終わらない 永遠という夢を

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